幼なじみはイケメン4人組
学園祭の準備中だから、どこに行っても人が居る。
それでも なんとか人の居ない隅の方へとやって来たあと、歩夢の顔を真っ直ぐに見つめた。
「私、歩夢とは幼なじみのまま過ごしたい。 幼なじみとして、隣に居てもらいたい。
……好きって言ってくれてありがとう。 でも私は、幼なじみ以上には思えないんだ」
歩夢のことは、本当に大好きだよ。
だけど どうしても幼なじみ以上には思えない。
私は、今までみたいに歩夢と過ごしていきたいんだ。
「……本当にごめん。 でも私、この先も歩夢と一緒に……──」
「俺さぁ、朝に言ったじゃん?」
「──……え?」
私の髪をグシャグシャにしながら、歩夢は笑顔を見せた。
「『俺のことをそういう風に見てないってことはわかってる。 ずっと前から知ってたよ。
だから『どうしても無理』って言うんだったら、俺はキッパリと諦める。
今まで通り幼なじみとしてミサと過ごしてく。 それでいいって思ってるのも事実なんだ』」
……朝と同じ言葉を歩夢は繰り返す。
そして、今度はどこか意地悪そうに笑みを見せた。