幼なじみはイケメン4人組
「……結局、『恋愛としての好き』じゃなかったってこと……?」
「そうなんですよ、残念ながらそうだったわけ。 告ったからこそ わかった事実っ!! いやー、さすが俺っ!!」
「……ハァ……」
……胸の痛みを返せ。
悩みまくった私の時間を返せ。
「……歩夢の馬鹿っ」
「あはは、ゴメン。 でもさぁ、ミサが俺のことをどう思ってるか、ミサの口から聞きたかったから ちょうどよかったかも。
まぁ、『幼なじみ以上には一生思われないだろうなぁ』って予想はしてたけどね。
でもマジでそれなんだもんなぁ。 予想が当たって嬉しいやら悲しいやら、妙な気分なのに笑っちゃったよ」
「……ハァ……」
……結局歩夢は、馬鹿なままの歩夢だ。
「でさ、ミサっち」
「……うん?」
「明日は俺とラブラブデートってことでオッケー?」
いつもみたいに私を呼んだ歩夢は、いつもみたいな馬鹿な顔で笑っている。
その顔に呆れながらも、私は少しだけ笑顔になることが出来た。
「するわけないでしょ、馬鹿歩夢っ」
いつもと変わらないやり取りの中で、いつものように笑い合う。
「やっぱコレが俺らっぽくね?」
「うん、私たちっぽい」
「この距離マジで ちょうどいいよね」
「うん」
「ミサっちさぁ、午前中はマジで暗い顔してたよ? おばけみたいな顔で怖かったよ?」
「……うるさい、馬鹿っ」
バシッと歩夢の肩を叩くと、歩夢は『骨 折れた』って言いながら 痛がるフリをする。
……いつも以上に馬鹿だなぁ。 なんて思いながらも、一緒に過ごしているこの瞬間が、凄く楽しくて。
私たちはお互いの顔を見ながら、いつまでもいつまでも笑っていた。