幼なじみはイケメン4人組


……私としては歩夢の方が馬鹿だし子供っぽいし、弟みたいなものだと思ってる。

でもマーくんに言わせると『五十歩百歩』だもんなぁ……。


うーん……なんか複雑な気分だ。



「さて、そろそろ帰ろうか」

「え? あ、うんっ」



マーくんの言葉に納得はいってないけど、時間も時間だし、そろそろ帰らなきゃ。


それぞれのカバンを持ち、教室を出る。

やっぱり他のクラスも準備が終わっているみたいで、どこの教室も暗い。


静かすぎて怖いな……なんて思っていたら、立ち止まったマーくんが手を差し出した。

言葉はなかったけれど、その表情はとても優しく、『怖い』と思った私に気付いてるんだ。と、すぐにわかった。



「ありがとね、マーくん」

「うん」



マーくんの手にそっと自分の手を重ね、ゆっくりと歩き出す。



「なんか、兄妹みたいだね」

「俺が兄でミサが妹? 妹キャラでいいんだ?」

「だってマーくんは大人っぽいもん。 晃太くんの次くらいに大人っぽいから……兄妹っていうかお父さんと娘かもっ」


「なんでそうなるんだ。 まぁ別に、いいけどさ」



そんなことを言いながら笑い、昇降口へと向かう。

昇降口にはまだ数人の生徒が居て、その中に、見覚えのある男子生徒──旬ちゃんを発見した。



「旬ちゃんっ」

「おー、お疲れー」



ひらひらと手を振る旬ちゃんは、ニコッと笑ってからマーくんを見た。



「危なかったな、正人。 あと10分で昇降口の鍵が閉まるところだったぞ」

「え、そうなの?」

「おう。 ついでに言うと校門も閉まるところだ」



旬ちゃんが視線を向けた先には見回りの先生が居て、『早く帰れよー』と他の生徒に声をかけている。

だから私たちも急いで靴を履き替えて、外に出た。


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