幼なじみはイケメン4人組


「幼なじみ以上に思えないのなら、無理して思うことないよ。
俺らみんな今の状態に満足してるし、満足出来なくなったら出来なくなった時に言うよ。
それでいいって言ってるんだから、それでいいじゃん」

「歩夢……」

「学園祭、みんなで楽しむって言ったじゃん。
化粧してマトモな顔に化けたんだから、マトモなまま最後まで過ごしなよ」


「……歩夢の、馬鹿……」

「うん、自覚してるよ?」



ニシシッと子供みたいに笑った歩夢は、私の髪をグシャグシャにしてから晃太くんを見た。



「晃太兄。 さっきのポエムさぁ、スゲー恥ずかしかったからもう二度と言わないでね?」

「へ? ポエム?」

「一緒の空を見て過ごしてきた俺たちは~とかいうやつ、ほんっと恥ずかしいからっ」


「……そうかなぁ? 本音を言っただけなんだけど」

「マジ? 俺『キモい』とか思って笑っちゃったんだけどっ」



いつもと変わらない歩夢。 そして、それに微笑み返す晃太くん。

二人はいつもみたいにやり取りをしながら、変わらない笑顔を見せてくれている。



「ミサっち。 大丈夫だからさ、笑いなよ」



太陽のように明るい笑顔を見せる歩夢。

その顔を見た時、私の顔も自然と笑顔になっていた。


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