幼なじみはイケメン4人組


「え?」



──振り返ってその人を見た時、とにかく驚いた。


私は『晃太くんに腕を掴まれた』と思ったんだけど……私の腕を掴んだのは、焼きそばを食べ終えたばかりの政宗さんだった。



「ミサちゃん、今から俺と回らない?」

「……はい?」

「焼きそばのお礼だよ。 ね、いいっしょ?」


「いやいやいやっ、そんなっ!! ていうかその焼きそば、私だって他の人に貰ったものですしっ……!!」

「でも俺はミサちゃんに貰ったもん」



ニッと笑う政宗さん。

うぅ……力が強くて、全然 身動きが取れないっ……。


助けを求めるように晃太くんを見るけれど、晃太くんは どこか困ったようにしながらも笑っていた。



「気分転換に政宗と回るのもいいかもしれない。 政宗、体育館の方は俺が引き受けるから、ミサを頼むよ」

「……ちょっと、晃太くんっ……」

「歩夢たちには俺から言っておく。 だから楽しんできな?」


「なっ……」



どうしてそうなっちゃうの……!?

と、言葉を繋げようとしたけれど。



「さすが晃太、話がわかるっ!!」



私の腕をがっしりと掴んだままの政宗さんが、その状態のまま歩き出す。

……だから私は、政宗さんに引きずられるようにしながら ついて行くしかなかった。


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