幼なじみはイケメン4人組


「『襲われるー!!』 とか思って不安になってるっしょ?」

「そ、そんなことはっ……」

「じゃあ『早く私を犯してっ』?」


「……なんでそうなるんですかっ」



ニコニコと笑う政宗さんを見ながら、小さく息を吐く。

……この人がどういう人なのかはイマイチわからないけれど、でも『変な人』だとは思う。


ほんっと、歩夢が可愛く見えるよ……。



「とりあえずー、ここの空き教室に入ろうと思うんだけど、二人きりはNG?
二人が怖いならダチ呼ぼうか? ほら、さっき会った赤髪と金髪の──」

「二人で全然大丈夫ですからっ」

「──あ、そう? じゃあ二人きりを楽しみましょー」



赤髪の人と金髪の人を呼ばれるよりは二人きりの方がマシ!! と思ったから、首を全力で横に振って応えた。

政宗さんは笑いながら空き教室のドアを開き、中へと入る。


……その直後、タバコを取り出して火をつけた。



「……未成年はタバコ吸っちゃダメですよ?」

「大丈夫、俺25歳だから」

「あ、そうですか……」



どう見ても高校生ですよね。

ギリギリ二十歳に見えなくもないけれど、お店に行ったら絶対に身分証の確認を求められる。

そんな政宗さんが25歳って……嘘つくにしても、もう少しマシな嘘にすればいいのに。 なんて思いながら、窓を開けた。


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