幼なじみはイケメン4人組


どうでもいい。って思ってるのなら、私を連れて あちこち歩く必要なんてないよね。

……まぁ、『焼きそばのお礼』って言われれば そうなのかもしれないけど……。

だけどさ、『お礼』で こんなに連れ回す必要はない。ってのは事実だよね?

なのに、なんで政宗さんは この場所に私を連れてきたんだろう……。



「実はね、ミサちゃん」

「……はい」

「俺はミサちゃんのこと、利用しちゃったんだ」


「……はい?」



え、利用って……え?



「さっき俺の友達と会ったじゃん? 実はさぁ、そいつらに自慢したかったんだよねー。
だって俺だけ彼女居ないんだもん。 馬鹿にされるのイヤだからさぁ、ミサちゃんのこと利用しちゃった」



……あ、それであちこち回ってたわけですか。

『俺の彼女でーす』って、自慢して回ってたわけですか……。



「最初は委員長に頼んだんだけどさー、『あんたの馬鹿に付き合ってられないしっ!!』って蹴り食らっちゃった。
俺としては結構本気だったんだけどなぁ。 委員長と回ることが出来たら、多分『楽しい』って思えてたよ」



……喋りながら、どこか遠い目をする政宗さん。

政宗さんは委員長さんのことが好きみたい。

だからこそ一緒に回るお願いをしたらしいけど……言い方が、ダメだよね。


きっと『彼女のフリして回ってよ』って言っちゃったんだ。

しかも絶対、みんなの前で。


それで『本気』とか言われても……って感じだと思う。



「政宗さんって、馬鹿ですよね」



思わず出てしまったその言葉に、政宗さんは『YES!!』と自信満々に応えて笑った。

……ほんと、馬鹿だ。


そう思いながら、私は一人、大きな大きなため息をついた。


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