幼なじみはイケメン4人組
「政宗さん、ずっと一緒に居てくれて、ありがとうございました」
「いやいや、俺がサボりたかっただけだから。 ていうか、そろそろ敬語やめない?
晃太と話す時みたいにさ、俺とも普通でいいよ? 名前も『マサくん』って恋人っぽく あまーい声で呼んでいいよ?」
「んー……恋人っぽくは遠慮します。 けど、これからはタメ口で話すし、マサくんって呼ぶかも」
「オッケー、恋人万歳っ」
「だから、それは違うってば」
なんてことを言いながら、薄暗いベランダでクスクスと笑う私たち。
そんな時、体育館からざわざわと聞こえてきて、生徒たちが出てくるのが見えた。
暗いから顔の判別は出来なかったけれど、集会が終わったのは確かだ。
長い列になって、それぞれ教室へと向かっている。
このあと、各教室で今日の反省会や点検補修などが行われるはず。
さすがに参加した方がいいかな……と思ったけれど、私の目元は相変わらず腫れている。
……明日その腫れが引くかどうかも微妙なところだ。
「戻る? それとも、みんな帰るまでここに居る?」
戻ろうかどうか迷ってる私に気付いていたらしい政宗さん……ではなく、マサくん。
少しだけ考えたあと、私は『ここに居る』と決断した。
「こんな顔で戻ったら みんなに心配かけちゃうから、ここに居る。
居なかったら居なかったで心配されるだろうけど……歩夢とマーくんが上手く言ってくれるよ、きっと」
「そっか」
タバコの火の僅かな明かりの元、私たちは笑う。
──それから20分くらい経っただろうか。
廊下の方から話し声が聞こえてきて、『ここじゃね?』と言う声とともに空き教室のドアが開かれた。