幼なじみはイケメン4人組


「……ミサ。 旬兄は、ミサと一緒に回りたいって思ってるんじゃないかな」



マーくんの小さな声に、胸が締め付けられる。



「一緒に色んなところを回って、一緒に宝探しゲームに参加して、一緒に笑いたい。 そう思ってるんじゃないかな?」



──『俺1日目は忙しいけど、2日目はフリーの予定なんだ。 だから、その時にミサのワガママ聞いてやる』



……ニコッと笑う旬ちゃんを思い出して、もっともっと胸が痛くなる。



──『じゃあ2日目。 約束な』



……あの日、私と旬ちゃんは小指と小指を合わせて約束をした。

でも、今はもう……もう、一緒になんか居られないよ……。






「あっ」



歩夢が、私の背後を見て小さく声を上げる。

その方向を見ると……廊下のずっと先の、端の教室から ぞろぞろと人が出てくるのが見えた。

その中の一人……今は会いたくなかった人を見つけてしまった。



「旬ちゃん……」



距離があってもわかるその姿は、間違いなく旬ちゃんで。

遅れて出てきた晃太くんと並んで歩き出した時に、旬ちゃんは私たちに気が付いた。


どうしよう。

私、どうすれば……。



「おーい、ミサー」



いつもみたいに声をかけてくる旬ちゃん。

旬ちゃんが、段々と近づいてくる……。



「ミサちゃん、これ かぶっときな」

「……え?」

「目ぇ腫れてるのとか、泣きそうな顔とか、アイツに見られたくないっしょ?」



マサくんが、私にキャップをかぶせた。

そしてニコッと笑ったあと、キャップのつばを下げて私の顔を隠した。


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