幼なじみはイケメン4人組


その直後、マサくんは私の前に立った。

旬ちゃんに顔を見られないようにと、かばってくれている……。



「おいコラ政宗っ、委員長が怒ってたぞ? 『明日は今日の分まで働かなきゃ許さない』って……え、何? どうした?」



旬ちゃんとの距離は、2メートルくらいだろうか……。

マサくんの後ろに隠れる私を見て、旬ちゃんは多分、不思議そうな顔で首を傾げてると思う。


だけど、何も言えない……。

私は、顔を見せるのはもちろん、声を出すことも出来なかった。



「ミサ?」

「なぁ旬。 今はさ、ミサちゃんから離れてくれないかな」



……マサくんが、小さな小さな声でそう言った。

言葉の感じは柔らかく、まるで小さな子供に語りかけているかのよう。


それに対する旬ちゃんは、少し間を置いたあとに ゆっくりと言葉を放った。



「……マジで、どうした? ていうか、政宗ってミサたちと知り合いだったっけ? 俺、全然 何も聞いてないんだけど……」

「今日 晃太を通して知り合ったんだよ」

「あー……そうなんだ」


「ということで、今日は俺がミサちゃんを家まで送るから」

「……何が『ということで』なんだよ。 ミサ、どうした?」



旬ちゃんが1歩近づく気配がした時、私の前に立っていたマサくんが、私の隣に移動し……そっと、私の肩を抱いて引き寄せた。



「今は、俺がミサちゃんのそばに居るから」


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