幼なじみはイケメン4人組


「じゃあ、何かあったらメールして。 と言っても、14時過ぎたら返信は出来なくなると思うけど」

「あ、コンテスト……あるもんね」

「さすがにドレスでフラフラは出来ないから」


「ふふっ、そうだね」



……最初はコンテストに出ることを凄くイヤそうにしてたけど、今は全然 普通の顔してる。

内心ではイヤなんだと思うけど……覚悟を決めたというか、吹っ切れたというか。


とにかく今は、いつも通りのマーくんが私に優しく笑いかけている。



「頑張って優勝してね?」

「優勝は歩夢に任せて、俺はひっそりと出場するよ」

「……やっぱり、見に行くのはダメ?」


「ダメ。 だってミサは、やることがあるだろ?」

「え?」



……やること?



「マーくん、それって……」

「宝探しゲーム。 ちゃんと宝を見つけておいで」

「……でも、私っ……」


「ごめん、政宗さんから連絡来たからもう行くね」

「あっ……」



右手で電話を耳にあてたマーくんは、左手を振りながら私から離れていった。



……一人になっちゃった。

教室の中からは子供たちの楽しそうな声が聞こえてくるし、廊下にも一般のお客さんがたくさん居る。


……みんな、私と違って凄く楽しそう。



「どうしようかな……」



いつまでも教室の前に居ても仕方ないから、ゆっくりと歩き出す。


その時、5歳くらいの子供たちとすれ違った。

男の子が女の子の手を引いて、廊下を駆けて。 その後ろから親が慌てて追いかける。


……あぁ、なんか、懐かしいな……。

小さい頃の私と旬ちゃんみたいだ。


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