幼なじみはイケメン4人組
うちの学校はかなり広く、中庭も広い。
だから昼休みや放課後などは、お喋りをしてる人の姿をあちらこちらで見ることが出来る。
昼休みは友達とご飯を食べに中庭へ行く人が多いけど、放課後はカップルが多い。
……私たちが見ている藤沢くんと女の子は、まさにカップルと呼べるだろう。
とても楽しそうに話していて、手を繋ぎながら芝生に腰掛けている。
……藤沢くんって、彼女居たんだ……。
「あの男が、歩夢がメールで言ってた藤沢?」
「うん、そう。 で、一緒に居るのは隣のクラスの西原(ニシハラ)さんだね。
二人が付き合ってるって情報は持ってなかったけど、付き合い始めたのかなぁ」
「へぇ……可愛い子だな」
「うんうん、可愛いよねぇ」
「お似合いだなぁ。 あの子、マジ可愛いじゃん」
「だね。 ほんと可愛いなー」
……可愛い可愛いうるさいわボケ。
そりゃあ、あの子は確かに可愛いけど……でも歩夢も旬ちゃんもそんなに『可愛い』を連呼しなくてもいいじゃない。
どうせ私は可愛くもなんともない普通の女ですよーだ。
……と心の中で言いつつ、藤沢くんと西原さんを見つめる。
「……ほんと、お似合いだね」
歩夢の言った通り、二人はお似合いだ。
カッコイイ藤沢くんと、可愛い西原さん。 楽しそうに笑っているその空間も、なんだか ほんわかしてて素敵だ。
やっぱり、ああいう人が彼女じゃなきゃダメだよね。
私なんかが藤沢くんの隣に居るなんて……それを想像することすら、おこがましい。
「ミサ」
「ミサっち」
ふと、旬ちゃんと歩夢が ほとんど同時に私を見た。