幼なじみはイケメン4人組


旬ちゃんは口をへの字に曲げながら私の髪をわしわしと撫でて、歩夢は何か言いかけたけれど、何も言うことなく微笑んだ。



「え、なに……二人ともどうしたの?」



どこか怒ったような顔の旬ちゃんと、とても優しく笑ってる歩夢。

対照的な二人に同じ質問をするけれど……、



「別になんでもない」

「俺も、なんでもないよ?」



……と、同じ答えが返ってきた。



「私の名前呼んだのに、『なんでもない』の?」

「おう」



……そう言いながらも、旬ちゃんは相変わらず髪を乱暴に撫でてきている。

うぅ、グチャグチャになっちゃう……。


それを見てる歩夢も、相変わらずの微笑みだ。



「俺もねー、ただ単に名前呼んだだけ」

「……そうなの?」

「うん。 でも旬ちゃんと かぶっちゃったのは、ちょっと面白かったね」



クスクス笑う歩夢は、また中庭に視線を戻した。


……本当に『名前を呼んだだけ』なのかなぁ?

何か言いかけた顔だったと思ったんだけど……。



「旬ちゃん旬ちゃん、西原さんのパンツは何色だと思う?」

「黒。で、上下セット」

「おぉ俺も同感っ!! あの子には黒が似合うっ!!」



……ハァ。

やっぱりこの人たちは、馬鹿だ。


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