幼なじみはイケメン4人組
15 「ありがとう」
………
……
…
その後、私たちは とにかく暇だった。
あちこち見て回ればいいのに。とは思ったものの、いっぱい泣いてしまったせいで また目元が大変なことになっていた。
崩れてしまったメイクはトイレで直したものの、腫れぼったい目元は隠すことが出来ず……。
そんな状態であちこち回るよりは、どこかでひっそりとしていた方がいい。と、私も旬ちゃんも思った。
じゃあどこに行こうか?
昨日マサくんと一緒だった時みたいに空き教室に行く?
それとも他の場所?
どこがいいだろう?
と、色々考えてるうちに、旬ちゃんがニヤリと笑った。
「晃太たち、もう舞台袖に控えてると思うからこっそり覗きに行く?」
「え、それって……女装コンテストの準備を覗きに行くってこと……!?」
「うん。 舞台袖は薄暗いと思うし、ミサの目もあんま気にならないだろ」
「いや、でも……マーくんは絶対 怒るって……」
「その時は逃げる。 向こうはドレス着てんだから追いかけてはこないだろ? な?」
……ということで。
『どこかでひっそりと』のはずが、『女装コンテストの奴らを覗きに行く』に変わってしまった……。