幼なじみはイケメン4人組


「実はね、ミサちゃん」

「政宗さん、余計なこと言わなくていいからっ!!」

「いいじゃん別に。 ほら、そんなに暴れたら せっかくの美人さんが台無しになるよ?」



ドレスのせいで思うように身動きの取れない歩夢を制しながら、マサくんは言葉を繋げていった。



「晃太から聞いたんだけどさ、昨日俺らが先に帰ったあと、歩夢は旬と喧嘩したんだって」

「え、喧嘩……?」

「というか、歩夢が一方的に色々言ったっぽい。旬が居なかった時のミサちゃんの様子とか、自分たちの気持ちとか、これからのこととか……とにかくもう、いろんなことをいっぱい言ったらしいよ」



……昨日あのあと、そんなことが……。



「泣きながら訴える歩夢に、旬はもちろん他のメンバーも涙が溢れ出して」

「 泣 い て な い 。 勝手に話を盛り上げるなっつーの」

「でもウルッとしたよなー?」


「 し て な い 」



ニヤニヤ笑うマサくんと、相変わらずの表情の歩夢。

その後もしばらくニヤニヤ攻撃は続いたけれど、歩夢がマサくんの股間に蹴りを入れたことにより、ノックダウン。


『ごめんあそばせ』と わざとらしく言う歩夢は、なんだかとっても怖い……。

……だけど、歩夢が旬ちゃんに話をしてくれたのは事実なんだよね……?



「……歩夢、ありがと」

「だから、俺は何もしてないってば」

「そうだとしても、ありがとう」



歩夢の手をギュッと握り締め、笑顔を見せる。

そんな私に歩夢はどこか困ったような顔をしたけれど、すぐに優しい笑顔を見せた。


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