幼なじみはイケメン4人組


「ほんとに俺は何もしてないけど……でも、どういたしまして。って言っとくよ。
そう言わなきゃ、ミサっちはいつまで経っても俺を解放してくれそうにないからね」

「うん、そのつもりで手を握ったから」

「まったくもう……彼氏でもない男の手を気安く握るなんて、旬ちゃんが見たら嫉妬の嵐だよ?」


「今の歩夢は女の子だもん、大丈夫だよ」

「あー……まぁ確かに。 じゃあ女の子同士でチューしちゃう?」

「そういう趣味はありませんっ。 ていうか中身は完全に男でしょっ」



と、いつもみたいな やり取りをしながら、私たちは笑い合う。

そばに居たマサくんも楽しそうに笑っていて、なんだかとっても、ハッピーな気分だった。



「ミサっち。 俺は、いつでもミサっちの味方だからね」

「……うん、ありがとう」

「兄が妹の味方をするのは当然だしっ」


「あー……えっと、うん……ありがと」



私は妹だなんて思ってないんだけどなぁ……と ため息をついたものの、歩夢の屈託のない笑顔を見たら『まぁいっか』と笑ってしまった。

歩夢が私のそばに居てくれる。 味方で居てくれる。 それがわかってるだけで、とても嬉しかった。



──その後、女装コンテストの開催時刻を早めるという放送が流れてきた。

10分後にコンテストが始まるらしいから、お客さんはすぐにやってくると思う。



「よっしゃ、気合い入れてくべっ」

「気合い入れるのはいいけど、女の子らしくね?」

「オッケーオッケー、余裕で優勝しちゃうからっ」



ニコッと笑った歩夢は、なんだか凄く女の子っぽくて可愛い。

本当に優勝出来るかもしれない。と思いながら歩夢に笑みを見せ、Vサインを出した。


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