幼なじみはイケメン4人組
体育館には続々と人が集まり、用意されていたパイプ椅子はほぼ満席らしい。
立ち見のお客さんも多くて、学園祭最後のイベントには相応しいものになりそうっ。
「あはは、みんな女装男子に興味津々?」
「ほんと、凄い人の数だねぇ……。 あ、そういえばマサくんは もうお仕事終わったの?」
「まぁね。 朝からずーっと働いてきたから、そろそろ休憩しなきゃ体がもたないよ」
そう言って笑ったマサくんの腕を、誰かがバシッと叩いた。
「政宗さん、午後の仕事は全部 俺にやらせてサボってたじゃん」
「おー、マーくん お疲れー。 それ委員長には内緒な? サボってたのバレたら また殴られる」
「政宗さんの後ろに委員長さんが居る場合はどうします?」
「へっ? ……うわっ!!」
マーくんの視線の先──マサくんの真後ろに、不敵な笑みを浮かべる委員長さん。
うわー……背後霊かと思って、かなりビックリした……。
「政宗。 サボった分は きっちり働いてもらうよ?」
「ちょ、ちょい待ちっ!! どう見てもさ、俺はサボった分 以上に働いたよっ!? だからほらっ、マーくんに手伝ってもらったのはさっ、休憩だよ休憩っ!!」
「あれ、言わなかったっけ? 1分サボるごとに30分の罰があるんだよ?」
「聞いてないしっ!! ていうか理不尽すぎだろっ!!」
「サボらずしっかりやればいいだけの話でしょう?」
「俺以外にもサボってる奴は居るっしょ!? そっち見回りなよっ!!」
「アンタは特別っ!! 他の人はいいのっ!!」
「んなアホなっ!!」
……なんてことを言い合いながら、マサくんはまたもや委員長さんに引きずられていった。