幼なじみはイケメン4人組


人の波に逆らって歩いて行くマサくんと委員長さん。

私はそれを呆然と見つめていたけれど、隣に立ったマーくんは くつくつと笑っていた。



「委員長さん、やっぱりSでMかも」

「……え、そう?」

「だってこの時間からやる仕事なんて全然 無いじゃん。 出店はまだ開いてるけど、教室の方はほとんど終わってるから。
終わってるからこそ、みんな体育館に集まってコンテストを見るわけだしね」


「……でも、教室の方に歩いていったよね?」

「政宗さんと二人きりになるつもりなんじゃない? なんだかんだで、政宗さんは『特別』らしいから」



あー、なるほどっ。

確かに今は二人きりになれるチャンスかも。

おぉっ、じゃあもしかして委員長さんは、マサくんに告白するつもりとかっ!?



「うわー、何気に両想いバンザイ?」

「多分ね」

「そっかそっかー、よかったぁ」



色々言い合いはしていたけれど、『好き』だからこそ、二人はあんな風にやり取りが出来るのかもっ。

……なんか、私と旬ちゃんみたい。


なんだかんだ言いながらも、相手のことが凄く好きで。

一緒に居られる時間が楽しくて幸せだから、もっと一緒に居たいと思う。


マサくんと委員長さんも、きっとそういう関係なんだ。



「マサくんたちなら、きっと素敵なカップルになるねっ」

「というか、漫才コンビ?」

「あははっ、そうかもっ」



そんなことを言って二人で笑っていた時、後ろからギューッと抱き締められた。



「わっ!? ……晃太くんっ!?」


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