幼なじみはイケメン4人組


「外に出ればいいの?」

「うん。 出ればわかる」

「えー?」



この先に いったい何が待ち受けているんだろう?

期待と不安が入り交じる中で、重たいドアをゆっくりと開ける。



「う、わ……凄い風……」



屋上は結構強い風が吹いていて、ちょっと寒い。

私たち以外にも何人か居たものの、予想以上の風のためか、すぐ中へと戻っていった。

うぅ……スカートだから押さえるのが大変……。



「お、美玲じゃん」



旬ちゃんの声を受け、フェンスのそばに居たカップルを見る。


女の子の方は、旬ちゃんの言葉の通り……高橋 美玲さん。

そしてその隣に居るのは、高橋さんの彼氏みたい。


私たちに気付いた高橋さんは、彼氏に何か話したあと 私たちのところに走ってきた。



「アオシマ ミサコちゃんっ!! だよねっ!?」

「あっ……そうですっ……!!」

「昨日はごめんなさいっ!! ていうか、旬くんとずーっと一緒に行動しててごめんなさいっ!!」


「い、いえいえっ、そんなっ」



うわわっ、どうしよう。

先輩が頭下げちゃってるよっ……。



「でも安心してっ!! 私と旬くんはただのアホな友達だからっ!!」

「おいコラ、俺はアホじゃねぇぞ?」

「じゃあ馬鹿友達っ!! ほんとにもうビックリするぐらいの馬鹿な友達だからっ!!」


「馬鹿って、お前……どんだけ俺を馬鹿にしてんだよ」

「うるさい黙ってて!! 私はミサコちゃんと話してるのっ!!」



……まるで凶暴なネコのように旬ちゃんを睨みつけた高橋さん。

そんな高橋さんに、旬ちゃんは不服そうにしながら頭を掻き、口をつぐんだ。


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