幼なじみはイケメン4人組
16 幼なじみのお嫁さん
──11年前。
この学校の学園祭に来ていた私たちは、体育館でファッションショーを見たんだ。
当時の学生さんが色々な衣装を身にまとい、ステージの上をくるくると回る。
キラキラ輝いて、とっても綺麗で。
中でも1番輝いていたのは、ウエディングドレスを着たお姉さんだった。
……白を基調とした花束を持ったお姉さんが、私にニコッと笑いかけて。
その直後にクルッと後ろを向いたかと思ったら、持っていた花束を躊躇うことなくポーンと投げた。
何度も繰り返した まばたきの間に、花束はどんどん近くなってきて。
手を伸ばしたその時──指にお花が触れて、抱き締めるように引っ込めたら、そこに花束はあった。
周りの歓声とか、拍手とか、意味はよくわからなかったけれど、なんだかとっても嬉しくて、胸がキュンとなって、あったかい気持ちになったんだ。
ずっと忘れてしまっていたけれど、私は、ブーケを受け取っていたんだ。
「……こんなに素敵で綺麗なのに、私、すっかり忘れてた……」
「俺も写真見るまでは忘れてた。 でも、思い出したんだよ」
「……うん」
「誰のお嫁さんになるって言ったか、思い出した?」