幼なじみはイケメン4人組


「さっきね、ベランダから中庭を見てた時……藤沢くんが隣のクラスの西原さんと一緒に居るのを見ちゃったの」

「うん」

「なんかね、すっごく幸せそうだった。 そういうのを見たら、なんかこう……私って馬鹿だなーって思っちゃって。
私みたいなのが藤沢くんに恋したって叶うわけがないのにさ、恋しちゃってたんだよね。 で、失恋しちゃったんだ」


「……」

「旬ちゃんと歩夢が居たから、さっきは普通の顔で過ごしてたけど。
でも、今マーくんに話したら……やっぱり結構苦しい。 勝手に好きになって勝手に失恋しただけなのに、凄く悲しくなっちゃった」



言葉が上手く まとまらなくて、かなりグチャグチャだ。

だけどマーくんは、そんな私の言葉を静かに静かに聞いてくれている。


その時にふと、今朝のマーくんの言葉を思い出した。



──『……釣り合うかどうかは、ミサが決めることじゃないよ』



その言葉に、胸がズキンと痛くなる。



「……マーくんは、私のこと馬鹿だなって思ってた?
だから『釣り合うかどうかはミサが決めることじゃないよ』って言ったの……?」



私みたいな女が釣り合いとかそういうのを考えるなんて、馬鹿らしいって思ってた?

叶うわけないのに夢見るな。 って、ほんとは思ってた……?


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