幼なじみはイケメン4人組
……彼氏……。
いや、まぁ確かにね、私が突然 脱ぎだしたらビックリさせちゃうよね。
彼氏が居れば、の話だけど。
「そういう時はちゃんとするから大丈夫だよ。 子供じゃないんだから そのくらいわかってるってー」
「いやいや、普段出来てないことがその時にパッと出来るわけがない。
普段から ちゃんとしてないと、恥をかくのはミサだよ?」
「もー、大丈夫だって。 ていうかさ、彼氏なんて居ないから、連れて帰るってこともないよ」
……それに、私は失恋したばかり。
だから しばらく恋は……って気分だったりする。
うん。
晃太くんの心配は無用の心配だよ。
「……ねぇ、ミサ」
ふと、晃太くんの声が小さくなる。
「どうしたの?」
「うん……いや、もしもずっと……さ、ミサにずーっと彼氏が出来なかったら、その時は……──」
……その時は。
と言いかけた状態で、晃太くんは言葉を止める。
「……え、何?」
何を言おうとしてるのか、まったくわからない。
首を傾げながら言葉を待つ私に、晃太くんはとても柔らかな笑みを見せた。
「──……その時は、誕生日が来るたびに何か美味しいものを作ってあげる」
「……へっ?」
え、誕生日が来るたびに……何か美味しいもの……?
「だって、彼氏が居ないってことは一人寂しく誕生日を迎えるってことだろう?」
「あー……確かにそうかも……」
「だから俺が手料理を振る舞ってあげる」
ニコニコと笑う晃太くんは、私の髪を優しく優しく撫でながら言葉を繋げた。
「俺は料理人になる。 だからメチャクチャ美味しいご飯をプレゼントするよ」
その笑顔は とても優しくて、あったかくて、安心出来る。
だから私は晃太くんの笑顔を見つめながら微笑み、安心しきった状態で小さく小さく頷いた。