幼なじみはイケメン4人組
4 一緒に


………

……




その後、晃太くん、歩夢、マーくんはそれぞれ帰宅していった。

残っているのは、私の家の斜め向かいに住んでいる旬ちゃん。


他のみんなの家から私の家までは数分かかるけど、旬ちゃんの家までは30秒あれば余裕で着く。

その距離だからこそ、旬ちゃんは毎朝 私を起こしに来てくれるのだ。



自分の部屋のベッドの上でゴロゴロしてる私と、その近くで携帯をいじってる旬ちゃん。

お互いの視線が合うことはなかったけれど、その状態のまま私たちは話をしていた。



「でもビックリしたなぁ。 旬ちゃん、世界一周なんて考えてたんだね」

「いつ行けるかはわかんねーけどな。 でも絶対行くよ。 色んなところに行って、色々勉強したいんだ」

「へぇー……英語の苦手な旬ちゃんが、外国ねぇ……」


「それは、まぁ……20年くらい経てば自動翻訳機とか発達してんじゃね? うん、だから大丈夫なはずだ」

「自分で喋る気はないんだ?」

「ない」



あはは、言い切っちゃった。

でも そういう馬鹿なところが旬ちゃんらしいと思う。



「旬ちゃんって、なんかいいよね」

「んー?」

「真っ直ぐなところとか、なんかカッコイイよ。 馬鹿だけど」


「……馬鹿は余計だっつーの。 ていうかカッコイイってのも違うだろ。 俺はただの馬鹿だぞ?」

「馬鹿なのか馬鹿じゃないのかどっちかにしなよ」



そんなことを言ってる時に視線が重なり、私たちは笑い合う。


そしてふと会話が止まった時。

旬ちゃんが、私の髪を優しく撫でた。


< 38 / 220 >

この作品をシェア

pagetop