幼なじみはイケメン4人組
4 一緒に
………
……
…
その後、晃太くん、歩夢、マーくんはそれぞれ帰宅していった。
残っているのは、私の家の斜め向かいに住んでいる旬ちゃん。
他のみんなの家から私の家までは数分かかるけど、旬ちゃんの家までは30秒あれば余裕で着く。
その距離だからこそ、旬ちゃんは毎朝 私を起こしに来てくれるのだ。
自分の部屋のベッドの上でゴロゴロしてる私と、その近くで携帯をいじってる旬ちゃん。
お互いの視線が合うことはなかったけれど、その状態のまま私たちは話をしていた。
「でもビックリしたなぁ。 旬ちゃん、世界一周なんて考えてたんだね」
「いつ行けるかはわかんねーけどな。 でも絶対行くよ。 色んなところに行って、色々勉強したいんだ」
「へぇー……英語の苦手な旬ちゃんが、外国ねぇ……」
「それは、まぁ……20年くらい経てば自動翻訳機とか発達してんじゃね? うん、だから大丈夫なはずだ」
「自分で喋る気はないんだ?」
「ない」
あはは、言い切っちゃった。
でも そういう馬鹿なところが旬ちゃんらしいと思う。
「旬ちゃんって、なんかいいよね」
「んー?」
「真っ直ぐなところとか、なんかカッコイイよ。 馬鹿だけど」
「……馬鹿は余計だっつーの。 ていうかカッコイイってのも違うだろ。 俺はただの馬鹿だぞ?」
「馬鹿なのか馬鹿じゃないのかどっちかにしなよ」
そんなことを言ってる時に視線が重なり、私たちは笑い合う。
そしてふと会話が止まった時。
旬ちゃんが、私の髪を優しく撫でた。