幼なじみはイケメン4人組


玄関を出て、さぁ学校へ!! と歩き出そうとした時。



「あれ、晃太くんっ」

「おはよ、ミサ」



門のすぐ横に立っていた男性──夏目 晃太(ナツメ コウタ)くんが私たちを見てニコッと笑った。

晃太くんも旬ちゃんと同じ高校3年生。


旬ちゃんがお兄ちゃんなら、晃太くんはお父さんのような人だろうか。

いや、お母さんのような人?



「リボン曲がってるし、スカートもよれよれ。
ブレザーにゴミまでつけちゃって……俺と旬が卒業したあとが心配でたまらないよ」

「お、出たな晃太母ちゃんっ」

「……あのなぁ、旬。 着替えるのを手伝ったのなら、もう少しこう、キチッとやってこいって」


「んなこと言うなら、晃太がやってやれば?」

「やだよ面倒臭い」

「俺だって面倒だっつーの」



そんなことを言いながら、二人は笑い合う。

いつも楽しそうに笑ってる二人を見ると、私も楽しくなってきて自然と笑みがこぼれ落ちる。


幼稚園も小学校も中学校も、高校も。

ずっと同じところに通っているし、同じクラスになる頻度も高い二人は、本当に仲がいい。


以心伝心、阿吽の呼吸。 そんな言葉がピッタリの二人だ。


< 4 / 220 >

この作品をシェア

pagetop