幼なじみはイケメン4人組
玄関を出て、さぁ学校へ!! と歩き出そうとした時。
「あれ、晃太くんっ」
「おはよ、ミサ」
門のすぐ横に立っていた男性──夏目 晃太(ナツメ コウタ)くんが私たちを見てニコッと笑った。
晃太くんも旬ちゃんと同じ高校3年生。
旬ちゃんがお兄ちゃんなら、晃太くんはお父さんのような人だろうか。
いや、お母さんのような人?
「リボン曲がってるし、スカートもよれよれ。
ブレザーにゴミまでつけちゃって……俺と旬が卒業したあとが心配でたまらないよ」
「お、出たな晃太母ちゃんっ」
「……あのなぁ、旬。 着替えるのを手伝ったのなら、もう少しこう、キチッとやってこいって」
「んなこと言うなら、晃太がやってやれば?」
「やだよ面倒臭い」
「俺だって面倒だっつーの」
そんなことを言いながら、二人は笑い合う。
いつも楽しそうに笑ってる二人を見ると、私も楽しくなってきて自然と笑みがこぼれ落ちる。
幼稚園も小学校も中学校も、高校も。
ずっと同じところに通っているし、同じクラスになる頻度も高い二人は、本当に仲がいい。
以心伝心、阿吽の呼吸。 そんな言葉がピッタリの二人だ。