幼なじみはイケメン4人組
5 五十歩百歩
………
……
…
翌朝。
「おーい、ミサっちー」
……どこかから、歩夢の声が聞こえる。
「そろそろ起きろよー?」
そろそろ起き……え?
「……あれ……え……?」
「ミサっち、おはよ」
布団の中から顔を出した時、そこには歩夢が居て。
いつもと同じようにニコニコ笑いながら、私の髪を優しく撫でた。
「……なんで、歩夢がここに……?」
「旬ちゃんにお願いされたからだよ。 『アイツは絶対寝坊するから』って」
「あ、そうなんだ……」
旬ちゃんは、マーくんだけじゃなくて歩夢にも連絡してたんだ。
……つまり旬ちゃんは、一人で起きられない私を予想してた……というか、確信してたんだろう。
うーん……なんかちょっと、複雑な気分……。
「玄関のところで正人も待ってるよ?」
「あー……うん、起きマス……」
と言いつつ、体が重くて動かしにくい。
私の居る空間だけ重力が普通と違うんじゃないだろうか……なんて馬鹿なことを思いながら、モゾモゾと体を動かしていく。
「ミサっち、相変わらず朝に弱いね」
「だって眠いんだもん」
「あ、実は襲われたい願望があるとか?」
「……はぁ?」
なんでそうなるんだ。と呆れ顔で歩夢を見た時。
ニコッと笑った歩夢が、突然 布団の中に潜り込んで私の体を抱き締めた。