幼なじみはイケメン4人組
………
……
…
学校に到着したあと、旬ちゃんと晃太くんは私に手を振ってから教室へと歩き出した。
私も二人に手を振ったあとに、3年生の教室とは反対方向にある2年生の教室へと向かった。
「おー、ミサっち やっと来たかー」
「おはよ、歩夢っ」
「はよー」
教室の前の廊下でジュースを飲んでいる茶髪の男──彼の名前は日下部 歩夢(クサカベ アユム)。
旬ちゃんたちと同じく、私の幼なじみだ。
歩夢は髪を染めてるし耳にはピアスをつけてるし、首もとからは派手なシルバーアクセサリーが覗いている。
一見すると相当なワルに見えるけど、誰にでも優しくて頭もよくて、スポーツも得意で人気もある。
そのギャップがいいのか、女子はいつだって歩夢の話でキャーキャー盛り上がっているし、実はファンクラブがあるとかないとか。
私と歩夢が幼なじみというのは、みんなが知ってることだけど……こうやって一緒に居ると、なんとなーく女子の視線が怖い気がする。
「あ、ねぇ歩夢。 マーくんは?」
「教室に居るんじゃね?」
「そっか、挨拶してくるねっ!!」
「おー」
……女子の視線が怖いから、さっさとこの場を離れようっ。
そう思いながら歩夢に手を振り、教室の中へと入った。