幼なじみはイケメン4人組


………

……




昼休み。



「あはは、さすが歩夢だねぇ」

「晃太くん、笑い事じゃないからね?」



中庭でお弁当を広げる私、マーくん、そして晃太くん。

歩夢は女の子たちとランチ中で、旬ちゃんは実行委員会の集まりに参加中。



「で、正人は歩夢を殴ったの?」

「……まぁ、20発くらいは」

「おぉ、やるねぇ。 歩夢からの反撃は?」


「なかったよ。 向こうは向こうで反省してたみたいだから」

「そっか」



……反省してたみたい。 とマーくんは言うけれど、実際のところ どうなのかはわからない。

だって歩夢、女の子たちの目を盗んでは『タコの口』で私を見てたし……。


正直、全然反省なんかしてないと思う。



「……旬ちゃんが起こしに来てくれればいいのになぁ……」

「仕方ないよ、旬は学園祭に命を懸けてるから。 それに、今年は高校最後の学園祭だもん」



そよそよと風が吹く中で、晃太くんはどこか遠くの空を見つめて微笑んだ。



「旬からミサに伝えてって言われてたんだけど、『今年のイチオシは宝探しゲーム』だって」

「宝探し?」

「うん。 学校の至る所に宝箱が隠されてるんだけど、ホンモノは1つだけ。
その中には財宝の在処を示した暗号が入っていて、その暗号を解き明かした人だけが財宝をゲット出来るらしいんだ」


「おぉっ、なんか面白そうっ!!」

「開催は2日目の14時から17時までの予定みたいだよ」



2日目。

あ、それって旬ちゃんにご褒美をもらえる日じゃんっ!!


よしっ、じゃあ旬ちゃんに財宝の在処を……──、



「追伸。 『俺は絶対に教えないからな?』だって」

「……あ、そうですか……」



──……バレてる。

ご褒美に宝箱の在処を教えてもらおうと思ってた私の目論見は、バレバレだ……。


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