幼なじみはイケメン4人組


………

……




その後、晃太くんの口から女装コンテストのスケジュールが発表された。

コンテストは2日目の16時に体育館で行われる。

出場者は14時過ぎに控え室に入り、メイクや衣装合わせなどをするらしい。

出場者がどのくらいになるかはまだわからないけれど、晃太くん曰く『20人くらいは出るんじゃないかな』とのことだ。



「2日目の16時かぁ……宝探しゲームと かぶっちゃうね」

「……ミサは絶対来ないで」

「え、どうして? マーくんと歩夢の勇姿を……」


「ぜ っ た い 、来ないでください」

「……あ、ハイ……」



眉間にしわを寄せたマーくんは、かなり不機嫌。

歩夢はなんだかんだでノリノリだけど、マーくんは目立つことが嫌いだもんね。

しかも『女装』だもんなぁ……。


ちょっと見てみたい気もするけど、マーくんが怒ると怖いから、私は宝探しの方に参加しよう。



「あのさ、晃太兄。 晃太兄はその女装コンテストに出ないの?」



歩夢の声を受け、晃太くんはまたどこか遠くを見始めた。



「出場者が少なかったら出るかもしれないね。 こういうのは、みんなで楽しまなきゃ意味がないから」

「むしろ率先して出なよ、クラス委員」

「俺はあくまで、人が少なかった場合」


「いやいや、晃太兄も出場すれば俺ら仲間内での優勝確率が上がるじゃん。図書カードは正人にあげるとして、お菓子詰め合わせでパーティー出来るじゃん。
高校最後の学園祭で思い出作りたいなら、晃太兄自身が出るしかないっしょー」


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