幼なじみはイケメン4人組


「お店のハンバーグじゃなくて、家庭の味のハンバーグを作ってあげたらいいじゃないっ」

「なっ……無理ですよっ!! 私 料理なんて全然っ……。
それに、私の料理を食べて旬ちゃんがお腹を壊したら大変ですもんっ!!」

「ちゃんと火を通せば大丈夫よ。 作り方は教えてあげるから、頑張って作ってみたら? 何事も勉強よ?」



ニコッと笑ったおばさんと、その近くに居たおじさんが視線を合わせて笑い合う。


その後、おじさんは手書きのメモを私にくれた。

そこにはお店のハンバーグの作り方が事細かに書いてある。



「簡単だから大丈夫。 ミサちゃんなら出来るよ」

「でも、おじさんっ……」

「おじさんもね、ミサちゃんくらいの時は全然料理なんか出来なかったんだ。
だけど食べるのは好きだったから、色々なお店でハンバーグを食べたよ。
そうやってるうちに『自分で作りたい』って思うようになった。 『世界一のハンバーグを作りたい』って思ったんだ」

「……」


「いっぱい料理の勉強をして『今』があるんだよ。 だからね、ミサちゃんも出来るよ」



晃太くんそっくりの笑顔で、私を優しく見るおじさん。

……おじさんは小さい頃からずっと私を可愛がってくれていて、娘のように思ってくれていると思う。

そのおじさんが『出来る』と言ってくれた。


私なら出来る。

きっと、出来る。



「……私、頑張ってみます」

「うん」

「作り方、教えていただいてありがとうございますっ!!」


「何かあったら電話して? なんでも教えてあげるから」

「はいっ!!」



おじさんとおばさんに深々と頭を下げたあと、私は近所のスーパーへと走り出した。


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