幼なじみはイケメン4人組


「ほんとはね、晃太くんちの手ごねハンバーグをご馳走しようと思ってたの。
ほら、旬ちゃんあのハンバーグ好きでしょ? だからテイクアウトしようと思ってたんだけど、売り切れで……」

「あー、そうだったんだ」

「あの……あのね、私……おじさんにハンバーグの作り方を教えてもらったの。
お店の味とは違う感じになっちゃうと思うけど、でも、一生懸命頑張って作るからっ……」


「うん」

「……お腹壊しちゃったら、ごめんね……?」

「火ぃ通せば大丈夫だろ」



旬ちゃんは、とても優しく笑ってくれている。

……だけどすぐ、その表情は苦笑いへと変わった。



「でもさ、スーパー行ったなら総菜買うなり弁当買うなりでもよかったんじゃね?
俺は、そういうのでも全然よかったよ?」

「……あ……」



……そう言われると、そうかもしれない。

おじさんに作り方を教えてもらったから『頑張って作らなきゃ』って思ってたけど、スーパーって既に出来上がってる物が置いてある……。



「……でも、何事も勉強だしっ」

「ん。 まぁそうだな」

「そうだよっ!! 料理の出来ない私が料理をするってこと自体凄いんだからっ!!」


「おうっ」



と、訳のわからないことを言いながらも笑顔を見せる。

そんな私に、旬ちゃんも今日1番の笑顔で応えてくれた。


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