幼なじみはイケメン4人組


「……ねぇミサ。 ミサはさ、藤沢のこと……」

「えっ!? ふ、藤沢くんのことっ……!?」

「……やっぱり、好きなんだね」




マーくんの言葉で、顔がカーッと熱くなる。

同じクラスの藤沢 豊(フジサワ ユタカ)くん……私は今、ちょうど彼のことを思い浮かべていた。


そのタイミングで聞いてくるなんて、マーくんってばエスパーですか!?

ていうか、私がわかりやすいだけなのかなぁ……。



「す、好きだけど……ダメ……?」



モゴモゴと答える私に、マーくんは首を横に振る。



「ダメじゃないけど、どうして藤沢なのかなと思って」

「だって、それはっ……メチャクチャ格好いいから……」



藤沢くんがまだ教室に来ていないのを確認しながら、胸の辺りに手をやる。

自分でもビックリするくらい、ドキドキしてる……。



「……頭いいし、サッカーとかバスケとか なんでも出来るし……それに、笑顔が素敵だから……」

「……へぇ」

「ちょっ、そんなつまんなそうな顔しないでよぉ……」



藤沢くんが好きって気持ちは今まで誰にも言ったことなくて、初めてマーくんに話したのに……。






「お、ミサっちは藤沢が好きなんだー?」

「うわっ、歩夢!! いつの間にっ!?」

「ぜーんぶ聞いちゃったー」



お前は忍者かっ。

……くそぅ、マーくんに続いて歩夢にまでバレてしまうとは……。


……多分これは、すぐに旬ちゃんと晃太くんにも知られるだろうなぁ……。



「旬ちゃんたちにも話そうっと」



……ほら、やっぱり。

歩夢ってば昔からこういう人だもんなぁ……。


何かあるとすぐにみんなに報告して、みんなで私のことを からかうんだよね。

ハァ……黙っていればよかった……。






「でもさぁ、ミサっち。 なんで藤沢なの?」

「……いや、だからそれは……」

「俺でいいじゃん」



……へ?


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