幼なじみはイケメン4人組


「旬ちゃん、本物の箱の場所は絶対に教えてくれないの?」

「教えない」

「じゃあ、ヒントは?」



ハンバーグを成形しながら、チラリと旬ちゃんを見る。

その時、旬ちゃんはまたクスッと笑って私を見た。



「当日になったら言う。 それまでは内緒」

「……ほんとにほんと? ヒントくれるの?」

「うん、ほんとにほんと」


「じゃあ、楽しみにしてるねっ」

「おうよっ」



そんな話をしながら笑い合い、ハンバーグを焼き始めた。


よしっ、ここまでは順調だっ。

火加減バッチリだし、いい匂いもしてきたし、初めて作ったとは思えないほどの出来っ!! ……だよね?



「お、いい感じじゃん。 スゲー腹 減ってきた」

「私もお腹すいたっ。 いい匂いだよねぇー、早く焼けないかなぁ」

「焦るな焦るな、ここで焦ったら生焼けバーグになっちまうぞ」


「私は外側のカリカリを食べるから大丈夫だもん」

「俺は内側担当かよ」



二人でけらけら笑いながら、フライパンの中のハンバーグを見つめる。


……旬ちゃんが言ってた通り、二人で作った方が楽しいね。

色々なことを話しながら笑って、一緒に焼き加減を見て、また色々なことを話す。


すっごく楽しいし、幸せな時間だ。


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