幼なじみはイケメン4人組
……マーくんが謝るなんて、そんな必要は全然ないよ。
「……明日からは絶対に迷惑かけないから、謝ったりしないで? ていうかマーくんは謝る必要なんて全然ないよ?」
「でも、ミサを信じてしまった俺が悪いから。
一人で大丈夫って言われても、やっぱり家の前で待つべきだったんだ」
「……え、ちょっと。 『ミサを信じてしまった俺が悪い』って、それはちょっと……ていうかかなりヒドい言い方じゃないですか」
「本当に俺が悪い。 どうせ失敗するってわかってたのに、放置した俺が悪い」
「……おいこら、正人さんっ」
くそぅ、ニヤッと笑いやがって。
『先生来たよ?』って言いながらまた笑ってるし。
先生が話してる時も、下を向いて笑ってるし。
マーくんってばこんなに性格悪かったっけ?
馬鹿歩夢に影響された?
ていうか、ずっと昔からこんな人だったっけ?
うー……よくわかんない。
わかんないけど、今のマーくんはかなり意地悪だ。
『明日からはまた迎えに行くね』と小声で言ってきたマーくんは、やっぱり意地悪そうに笑っている。
それに対し、『大丈夫だもん』と返して ほっぺたを膨らませる私に、マーくんの表情はどこか優しいものへと代わった。
そして、ほんの一瞬だけ。
周りには気付かれないように一瞬だけ私の髪に触れたマーくんは、『それでも迎えに行くから』と、とても優しく言った。