幼なじみはイケメン4人組
……ただの幼なじみっていうか、みんな大切な人たちだよ?
歩夢もマーくんも旬ちゃんも晃太くんも、みんな大好きで大切な幼なじみだ。
と歩夢に言いたかったけど、もう自分の席に行ってしまったし、他の人も着席し始めている。
購買に行ってた人や廊下に居た人も、チャイムが鳴り終わるまでには ほぼ全員が自分の席に着いた。
もちろん、私が恋をしてる人……藤沢くんも。
廊下側の席に座っている藤沢くんは、斜め後ろの席の女の子と楽しそうに喋っている。
……ほんと、カッコイイなぁ……。
私も藤沢くんとあんな風にお喋り出来たらいいのにな……。
なんて思いながら、小さく小さく息を吐く。
藤沢くんと私は、ほとんど喋ったことがない。
『おはよう』とか『またね』とか、挨拶はするけど……でも、これと言って会話らしい会話はしたことがなかった。
だけど私は、それでも藤沢くんが好き。
……藤沢くんのことを好きになったのは、1ヶ月前の体育の授業中だった。
男子は外でサッカー、女子は体育館でバレーボール。 の、予定だったんだけど、外はあいにくの雨。
だから男女ともに体育館での授業で、それぞれバレーボールの試合をしていたんだ。