幼なじみはイケメン4人組


心臓がドキッと音を立てる。


……私と、回りたい……。

微笑んだ歩夢は確かにそう言った。


いつもなら『なんで』とか『どうして』とか『二人でなんてありえないでしょ』とか、色々言うところだ。

でも、何も言えなかった。


だって歩夢が、私の声よりも先に言葉を続けたから。



「俺、ミサが好きなんだよ」



……その言葉に、私は何も返すことが出来なかったから。



好き。

それは、『幼なじみだから』とか『友達だから』とかじゃない。

歩夢は私だけを見て、真っ直ぐに『好き』と言ったんだ。


私のことをいつも『ミサっち』と呼んで、アホなことを言いながら笑ってる歩夢とは違う。


真剣な顔で、真っ直ぐに。

私だけを想って、そう言ったんだ……。



「なん、で……──」



──……どうして私のことを……?


そう聞きたかったけれど、上手く声が出なかった。

ただの幼なじみだと思ってた歩夢からの突然の告白に、私はただただ動揺していた。


だけど歩夢は、優しく私を見ている。

周りに人が居ないのを確認してから、歩夢は優しく言葉を放った。


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