幼なじみはイケメン4人組


……その後は、いつもの歩夢と同じ。

男子と馬鹿やって笑って、女子とニコニコしながら話をして、私と目が合ったら無邪気にピースして笑ってる。


……だけど私は、戸惑いを隠すことが出来なかった。


私はずっと、幼なじみの歩夢が好きだった。

馬鹿なことばっかり言ってくるから、ムカつくこともあったけど。


それでもやっぱり、好きだから一緒に居たんだと思う。

だけどその『好き』っていうのは、あくまでも『幼なじみとして』のもの……。

それ以上のものなんて、感じたことなんか無かった。


だけど歩夢は……歩夢はずっと、私のことを……。






──『あ、実は襲われたい願望があるとか?』



……その言葉を放った時の歩夢を思い出す。

あの時歩夢は、私の布団に入って私を抱き締めた。


……あの時も、本当は本気だったのかな……。

いつもみたいにニヤニヤ笑って、タコの口でチューしようとしたり、馬鹿なこと言ったり……。

私は最低最悪の朝だって思ってたけれど、歩夢は、本当は真剣だったのかな……。



「ミサ? 大丈夫?」

「あ……」



……マーくん……。


< 94 / 220 >

この作品をシェア

pagetop