幼なじみはイケメン4人組
「……私、今までずっと『幼なじみ』としか思ってなかったんだ」
「うん」
「……歩夢の気持ち、全然何も知らなくて……私は多分、いっぱい歩夢のこと傷つけてきたと思う」
いつだって歩夢はお馬鹿なキャラで、一緒に居ると楽しいけれど、それと同じくらい疲れるし、呆れる。
……だから私はいつも『馬鹿歩夢』って言って頭を叩いたり、足を踏んづけたり背中を叩いたり、おっきな ため息をついてみせたり……。
ずっと、歩夢にヒドいことをしてきたと思う。
なのに歩夢は、私をずっと好きでいてくれた。
最低な私のことを ずっとずっと想ってくれていた……。
それがどうしようもなくツラくて、胸が張り裂けそうだった。
「私、最低な奴なのに……それでも歩夢は『好き』って言ったんだよ? 『ミサが好き』って、ハッキリそう言った。
私は……私は全然歩夢の気持ちに気付かなかったのに、それでも歩夢は、私のそばに居てくれた……」
胸が苦しくて、涙が溢れそうになってきた。
……私は片想いのツラさを知ってる。
楽しさも幸せな時間も知っているけれど、ツラい気持ちだって知ってるんだ。
なのに歩夢の気持ちには気付かなかった。
『片想いのツラさを知ってるのは自分だけ』という気になって、周りのことなんて考えたこともなかった。
……本当に、私は最低だ。