幼なじみはイケメン4人組


「ミサ」



マーくんの手が、優しく髪を撫でた。

動作も、言葉も、そして笑顔も、とても柔らかい。



「歩夢の気持ちに気付いた今、ミサはどうしたい?」

「え……?」

「歩夢と付き合いたい。 歩夢と今まで通り過ごしたい。 歩夢と距離を置きたい。 選択肢は色々あるだろう?」



……選択肢。

……私は歩夢と、どうなりたい……?



「……ちゃんと伝えた歩夢に、ミサも ちゃんと応えればいい。 それだけだよ」



チャイムが鳴る中で、マーくんはまた優しく私の髪を撫でた。



「戻ろ。 教室の片付けしなきゃ」

「……うん」



いつもと変わらないマーくんに、私は頷くしかなかった。



──『……ちゃんと伝えた歩夢に、ミサも ちゃんと応えればいい。 それだけだよ』



マーくんのその言葉を 頭の中で何度も繰り返しながら、静かに廊下を進み続けた。


< 97 / 220 >

この作品をシェア

pagetop