幼なじみはイケメン4人組
「ミサ」
マーくんの手が、優しく髪を撫でた。
動作も、言葉も、そして笑顔も、とても柔らかい。
「歩夢の気持ちに気付いた今、ミサはどうしたい?」
「え……?」
「歩夢と付き合いたい。 歩夢と今まで通り過ごしたい。 歩夢と距離を置きたい。 選択肢は色々あるだろう?」
……選択肢。
……私は歩夢と、どうなりたい……?
「……ちゃんと伝えた歩夢に、ミサも ちゃんと応えればいい。 それだけだよ」
チャイムが鳴る中で、マーくんはまた優しく私の髪を撫でた。
「戻ろ。 教室の片付けしなきゃ」
「……うん」
いつもと変わらないマーくんに、私は頷くしかなかった。
──『……ちゃんと伝えた歩夢に、ミサも ちゃんと応えればいい。 それだけだよ』
マーくんのその言葉を 頭の中で何度も繰り返しながら、静かに廊下を進み続けた。