幼なじみはイケメン4人組


………

……




その日の午後、教室内は迷路の本格的な設置作業が始まった。

クラスのみんなは楽しそうに作業をしているし、歩夢も同じ。

朝のことは夢だったんじゃないかな? と、そう思えるほどに、歩夢は普段と何も変わらない。


……だけどあれは、本当のことだったんだよね……?

私に『好き』って言った歩夢は、本気だったんだよね……。



……明日の朝に答えを言う。

明日、歩夢との距離が変わってしまうかもしれない……。


それを思うと どうしようもないくらい胸が痛くなる。

……けれど、ちゃんと向き合わなくちゃいけないんだ。

だって、このまま半端な状態で進むことが、1番ヒドいことだと わかっているから……。



「おーい、ミサー」

「……え? あ、晃太くんっ」



ドアの装飾が終わろうとしていた時に、廊下の向こうから晃太くんがやってきた。

晃太くんの手には、何やら大量のチラシが……ていうか多分、女装コンテストのチラシだと思う。



「これ、コンテストのチラシ。 みんなに配っといてくれる?」

「あ、うんっ」



やっぱりそうだ。

コンテストの話は『噂』として広がっていたけれど、やっと正式に発表されるらしい。


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