はまきり
2.入寮テスト
2.入寮テスト
「あのっ!…あの、どこへ行くんですか?」
少女の声で我に返った。
「あ、ごめん…。」
気がつかない間に掴んでいた少女の腕を離した。
俺の掴んだ制服にはシワが着いていた。
「…平気です。…あの、ありがとうございました。」
少女は丁寧に頭を下げた。
「え?あ、あぁ…」
「その…迷惑かけてごめんなさい。私、1年の中谷悠っていいます。」
「1年なんだ、俺と一緒だ。俺は野添桐…」
「よろしくお願いします…」
「こちらこそ。」
「……。」
「……。」