はまきり
「ここで休憩兼、作戦会議よ。」
亜希は地面に座ると、ポケットからグミの袋を取り出し、一粒出してかじる。
神木や悠もそれぞれ携帯食を取り出していた。
何も持たずに来た俺は、黙って亜希の話を聞いていた。
「さっきは時間切れのおかげで助かったけど、次はきっとこうは行かないわ。それに、さっきの水野ってやつも言ってたけど…アルファベットの組の方が圧倒的に不利よ。」
神木は俺に自分が持ってきたビスケットを渡しながら、亜希の言葉にうんうんと頷く。
「そうだねぇ。1組から3組はルールは違うといっても、去年遠足は経験してる訳だから。」
「悠、なんでもいいわ。遠足に関する情報を教えてくれる?」
悠は頷くと、去年の遠足のルールを話し始めた。
「去年も、今年と同じく四人で組を作って行うものでした。2年前も同じでしたので、この四人組というのは毎年共通だと思います。」