はまきり
「!!」
俺たちの目の前を黒い何かが凄まじい早さで通り過ぎた。
「何だ、今の…」
「たぶん…純血の妖怪…私たちみたいな中途半端な存在じゃなくて……」
「え?」
「野添くん…逃げましょう…!」
俺たちは走り出した。
「さっきの話…純血のってあれどういう意味だ?」
「そのままの意味です!この森は魔界に近い場所だから、純血の妖怪が出るんです。」
「だから純血の妖怪って…」
「…!!追いつかれた!!」
黒い何かは俺たちのすぐ真後ろにいた。
振り返る俺たちに黒い何かが襲いかかる。
「野添くん、危ない!」