はまきり




黒板の下で疼くまっていた鵺は、少しよろけながらも立ち上がり、大きく吼えた。


「しぶといわね、無傷じゃない。」


鵺が走りながら中原さんの方へ向かって行く。






「嫌だ、こんなの!僕はここから出るんだ!」


「お、オレも…!」


ガリガリの男子生徒とメガネをかけた男子生徒が教室のドアに向かって走り出した。


中原さんがすぐさま振り返り、2人に向かって叫んだ。


「…!だめよ、私の後ろに戻って!」


しかし、もう遅かった。





鵺は狙いを中原さんから2人に変え、再び吠えると、2人に向かって走っていった。


「く、来るなぁあ!!」


鵺の鋭い爪がメガネの男子生徒の体に食い込む。


「う…ぁ……」


鵺は爪をメガネの男子生徒から引き抜くと、隣で腰を抜かしているガリガリの男子生徒の方へ向いた。


「嫌だ!嫌だ!死にたくない!!」



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