はまきり
鵺が彼の体にのしかかる。
彼の必死の抵抗も虚しく、鵺は彼の喉元に食らいついた。
「食べてる…」
三つ編みの女子生徒は震えながら派手な女子生徒の制服の背中を掴む。
鵺は横たわる男子生徒を食べていた。
俺たちはただ、立ち尽くすことしか出来なかった。
「もう嫌…帰りたいよ…。」
残りの制服の数は7人。
俺と中原さん、神木、三つ編みの女子生徒、派手な女子生徒、クマのような大きな男子生徒、さっきから一言も話していない幽霊のように髪の長い女子生徒…
「だから動くなって言ったのに、自業自得よ…。」
中原さんは目を伏せると、再び鵺に対峙した。
「いい?あんたたちは邪魔よ!私に任せてそこで大人しくしてなさい。」