はまきり
中原さんは勢いよく飛び出すと、すぐに鵺との距離を詰め、蛇になっている鵺の尾を掴む。
「吹っ飛べぇえ!!!」
中原さんは尻尾を掴んだまま、鵺の体を振り回し、地面に叩きつける。
反動で中原さんの体が浮く。
中原さんは動かなくなった鵺と距離を置き、俺たちのそばに帰って来た。
「終わったわ。よかったわね、生きてて。」
「ヒュウ!かっこいいねー、亜希ちゃん!」
冷やかす神木に冷ややかな視線を向ける中原さん。
「何もしてないくせに調子に乗らないで。」
鵺はピクリとも動かず横たわっている。
どうやら俺たちの入寮テストは終わったらしい。
「あの、ありがとう。」
派手な女子生徒の後ろに隠れていた三つ編みの女子生徒は中原さんに頭を下げた。
「いいのよ。そんなことより早く教室を出ましょう。」
中原さんは残骸となった死んでいった生徒たちを見る。
「こんなところ…いつまでもいたくないわ。」
「そうだね。」
三つ編みの女子生徒は3人の生徒の遺体のそばまで歩いて行くと、しゃがんで手を合わせた。
「……。」
俺たちはその様子をただ静かに見ていた。