はまきり
「なるほどね。これそうやって使うのね。」
声のする方を見ると、中原さんの肩くらいまである巨大な黒い金属バットを持った中原さんがいた。
中原さんの頭から角は消えている。
「この玉、どうやら私の妖怪の力を使って変化するみたいね。」
「そうみたいだねぇ。」
中原さんの隣で、真っ白な刀を持った神木が頷く。
「お待たせ、野添。解毒終わったよ。」
「どうやらあの鵺、この玉の力でしかダメージを受けないみたいね。」
中原さんは不敵な笑みを浮かべながら金属バットの表面を撫でる。
「さて、暴れるわよ。」
2人が俺の横をすり抜け、再び立ち上がった鵺に向かっていく。
中原さんは金属バットを振り下ろす。
鵺は地面に突っ伏して、苦しそうにもがいている。
鵺の体に、神木は刀を添える。
「これでおしまいだね。」
鵺の断末魔の叫びが教室中に木霊し、俺たちの入寮テストは幕を閉じた。