はまきり
弱い者は死ぬ世界…
今日だけで…このたった半日で、俺は目の前でいくつ死を見た?
これが、浜霧高校…
全寮制の、外部からはなにも情報を得られない秘密に満ちた学校の正体…
中谷さんは中等部から内部進学してきたと言っていた。
と、言うことは少なくとも3年は今のような環境で過ごして来たということだ。
「あんま考え過ぎんなよー。講堂着いたぞ。」
神木が俺の背中をバンバンと叩く。
彼なりに慰めているのだろうか。
「そうだな。」
大講堂の入り口には男子寮入寮式と書かれた看板が立て掛けてある。
講堂にぞろぞろと入っていく生徒たちの表情は様々だった。
泣いている者もいる。
みな、制服が破れたり汚れたり、血がついていた。
俺たちの教室だけじゃない、他の教室でもやはり同じようなことが起こったのだ。
もう戻れない。
俺はそんな世界に来てしまったのだ。