はまきり
3.入寮式
3.入寮式
講堂に入ると、そこには約100名の男子生徒が着席していた。
講堂は大講堂と言うだけあって充分に広く、100名の生徒には大きすぎるくらいだった。
「今年の浜霧高校の男子入学予定者は500人弱だそうだよ。」
俺の隣のパイプ椅子に腰掛けた神木は特になんの驚く様子もなく、そう俺に告げる。
大講堂の扉が締められる。
まだパイプ椅子にはたくさん空きがあるのに。
「これだけしか、生きられなかったんだな。」
500人中、約100人…残りの400人はおそらく入寮テストの最中に死んだのだ。
「これより、男子寮入寮式を行います。一同、起立。」
メガネをかけた男子生徒のアナウンスが終わると、みなパイプ椅子をガタガタと鳴らしながら立ち上がる。
壇上に、背の高い茶髪の男子生徒が上る。
「新入生のみなさん、こんにちは。僕は3年1組、生徒代表の鮎川です。F寮の寮長を務めています。よろしくお願いします。」
鮎川先輩は丁寧に頭を下げた。
さっきもらった紙では、俺はC組と書かれていた。
この先輩は1組…なぜ組み分けがアルファベットと数字でばらばらなのだろうか。
「それでは、入寮に関して簡単に寮のシステムを解説させていただきます。まず、この高校の寮は大きく分けて3つ。F寮、S寮、T寮です。その中でさらに男女で分かれているので、計6つですね。ちなみに寮の分け方は、F寮がA組と1組、S寮がB組と2組、T寮がC組と3組です。」
やはりアルファベットの組と数字の組があるらしい。