はまきり




その後、まるで葬式のような雰囲気を纏ったまま、入寮式は終わった。


大講堂を出た俺たちは、上級生に連れられ寮へ案内された。





「それじゃあ、俺と野添ちゃんはここでお別れだな。」


F寮の前で、俺は神木と別れた。


俺の行く予定のT寮は、大講堂からF寮とS寮のさらに奥にある。


「ここがT寮です。」


上級生に案内され、T寮の前に並んだ新入生は、約35人。


さっきの説明からすると、ここにいるやつらに女子が加わり、クラスメイトということになる。


こんな高校でうまくやっていけるのだろうか。


「ここに紙を貼っておくので各自部屋を確認し、ルームメイトと顔合わせをしてください。」


上級生の指示に従い、寮の前の掲示板に貼られた紙を見終えた生徒たちが、次々と自分の部屋に向かい寮内に入る。


紙は館内図になっていて、この図によると寮に入って右側が男子寮、左側が女子寮になっており、正面の部屋がフリースペース、その先の部屋が男女兼用の食堂になっているようだ。


俺の部屋は一階、103号室。




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