はまきり
ドアを開けた俺の目に飛び込んで来たのは、真っ白な背中。
黒いセミロングの髪は少し濡れていて、下は紺色のジャージを履いていた。
その人物は、顔だけこちらに向ける。
長い睫毛に薄い桃色の唇、頬は少し赤い。
女だった。
そんな、ここは男子寮のはずだ。
女は濡れた髪をタオルで乾かしながらこちらへ体を向ける。
まずいぞ、今体をこちらに向けたら…
「野添くんですか?僕、ルームメイトの雪野康太です。」
「…え?」
…ない。
胸がない…。
「…男?」